RULE SPOT
陸上競技100mハードル支える人

このページの目次

ハードルの一覧へ

ハードル / 支える人

100mハードル|支える人

審判レベルのルール詳細

準備から判定、記録、ケース対応まで。担当ごとの実務を確認します。

屋外標準400mトラック / 日本陸連2026年規則 / 2026-09-10確認

カテゴリーから、読みたい内容を開く

担当業務と、裁定の権限を分ける

スタートチームはスタート手順、監察員は走路上の事実観察と報告、写真判定員は着順・タイム、記録情報担当は結果の照合を担います。担当の通常作業をすべて審判長への許可事項にする必要はありません。

監察員は失格を最終決定する役ではありません。違反の疑いを所定の合図で示し、位置・選手・動作・影響を報告します。審判長が報告等をもとに判断します。途中棄権した選手の違反であっても、観察した事実の報告を省略しません。

担当通常の仕事判断・引継ぎ
招集・出発組・選手・レーンと準備状態の照合欠場や変更を関係係へ
スターター等静止・号砲・呼戻し・不正スタート対応担当権限に沿って処理
監察越境・妨害・ハードル通過を観察審判長へ事実報告
用器具・風力台の規格・配置、対象種目の風力記録情報・写真判定と照合
写真判定・記録胴体の到達と公式時刻、結果の整理疑義・訂正履歴を引継ぐ

根拠:CR18–24 / 正誤表:CR20解説

準備完了から号砲・呼戻しまで

ブロック、スタート線、各レーンのハードルと選手配置を照合します。「Set」で静止が整わないまま号砲を急がないようにします。

欠場、組・レーンの変更、スタート中断、呼戻しがあれば、出発・計時・記録間で対象選手と状態をそろえます。スタート時の担当権限と、抗議を受けた場合の裁定手続は分けて扱います。

根拠:TR16 / CR22–23

設置して終わりにせず、台ごとに点検する

種目・区分と配置図を照合し、各レーン10台の高さ、位置、向き、台間を点検します。高さを変更した台は、その高さに応じた重りの設定も確認します。

用器具係の設置後に監察側でも確認します。レース間は倒れた台を起こすだけでなく、動いた台を正しい標示位置へ戻します。練習中の選手がいないことを確認してから作業します。

破損・固定不良の台をそのまま使わず、交換と再点検を行います。準備が整っていない状態をスタート側に明確に伝えます。

根拠:TR22.1–22.5 / 審判HB:監察・周回記録

高さ・間隔を、区分ごとに確認する

10台を使用します。表の配置欄は「スタートから1台目 / 台と台の間 / 10台目からフィニッシュ」の順です。台間は9区間あります。

一般・U20・U18と学校区分は同一ではありません。学校大会や独自種目の出場条件は大会要項も確認してください。

区分高さ配置
女子・一般0.838m13m / 8.5m / 10.5m
女子・U200.838m13m / 8.5m / 10.5m
女子・U180.762m13m / 8.5m / 10.5m
中学女子(国内)0.762m13m / 8m / 15m

根拠:TR22.1・22.3(国内規定を含む)

ハードルを倒したら、すべて失格?

通常のハードリングで台が倒れたという結果だけでは、自動的に失格になりません。一方で「倒しても何でもよい」というルールでもありません。

脚や足が台の横をバーより低い位置で通った場合や、手・胴体・振り上げ脚の前面で台を倒す/移動させた場合は、失格となる行為に当たります。抜き脚も確認対象です。

他の選手のハードルを倒したり動かしたりした場合には、その選手が越える前か後か、リズム・進路への影響なども確認します。

根拠:TR22.6–22.7

自分のレーンと、隣の選手を守る

ハードルを越える間も指定レーンで走ることが原則です。隣の選手を妨害してよいわけではありません。

接触があったという事実だけで、自動的に失格が決まるわけではありません。責任のある動作、相手への影響、利益を得たかを確認して判断します。

根拠:TR17.1–17.5

「1歩だけならよい」と覚えない

内側への侵入には条件付きの例外がありますが、距離の利益や他者への妨害があれば例外にはなりません。押された結果でも、内側を使って囲まれた状態から抜け出し有利な位置を得れば、失格となり得ます。

曲走路での1回1歩の例外は、レーン競走と非レーン競走で条件が異なります。レーン競走で内側線に接触した場合と、完全に内側へ踏み越えた場合を同じに扱わないでください。

該当する1回1歩の例外は同じ種目の全ラウンドを通じて1回です。次のラウンドで履歴がリセットされるわけではありません。ブレイク前の自由な合流を認める規定でもありません。

根拠:TR17.2.3–17.5

事実を残し、結果だけで判定しない

台の番号、レーン、左右どちらの脚か、バーとの高さ関係、接触した身体部位を記録します。倒した場合と移動させた場合を分け、他者の通過前後、リズム・歩幅・進路への影響を具体的に報告します。

黄旗など大会で認められた方法で知らせ、書面等で報告します。複数の監察員が見た場合も、それぞれの観察を残します。合図だけで失格を決定したり、異常の有無だけの報告で終えたりしないようにします。

2026規則ではTR22.6.3が台を倒す行為、22.6.4が移動させる行為を扱います。倒す行為では他者への影響または妨害、移動させる行為では重大な影響または妨害という条件が書かれています。

他の規則違反との関係も原典で照合し、「触れた」「倒れた」という一言にまとめないでください。

根拠:TR22.6–22.7 / CR20

現場で迷いやすいケース

場面確認すること扱いの要点
台が倒れた身体のどこが触れ、他者へどう影響したか倒れた結果だけで失格にしない
抜き脚が台の横を通った通過時の足・脚とバー上端の高さバーより低ければTR22.6.1の対象
隣の台を動かした相手の通過前後、リズム・進路・衝突への影響動いた事実だけで終えず条件を報告
レース間に台を戻す練習中の選手、位置・高さ・重り安全確認後に復旧・再点検

根拠:TR22.6–22.7 / CR20・24

号砲から13秒、風を計測する

100m・110mハードルの風は号砲から13秒間計測します。風速計はフィニッシュ手前50m、1レーンに隣接し走路から2m以内、高さ1.220m±0.050mで設置します。

風は0.1m/s単位へ正の方向に切り上げます。例えば+2.03は+2.1、−2.03は−2.0です。四捨五入や、負の値の絶対値を大きくする処理ではありません。

組番号、計測開始、値の転送・照合を確認します。風力未取得を0.0として補わず、計測できなかった事実を記録担当へ伝えます。

根拠:TR17.10–17.13 / 正誤表:TR17.13

写真判定・タイムと結果表示をそろえる

写真判定主任は、各セッション前のゼロコントロールをスターター・審判長と実施し、システムを確認します。着順は胴体の到達で読み、画像・選手番号・レーン等を照合します。

ここで扱う10000m以下のトラック種目の写真判定時間は、0.01秒単位へ切り上げます。表示された同タイムと、着順が同じであることは別です。

周回確認にICチップを補助使用できることと、トラックの公式記録をチップ計時で決めることを混同しません。欠場DNS・途中棄権DNF・失格DQ、通過者、失格根拠を確認して結果へ引き継ぎます。

根拠:TR18.2・19.19・19.21・19.23–19.24 / CR24–25

公式資料・ルールブック

詳しい条文や、書籍の購入先はこちらから確認できます。

出典と適用範囲

日本陸連2026年競技規則と5月17日正誤表を確認し、独自の表現で整理しています。審判の実務はハンドブック2025–2026と訂正情報も参照しました。ハンドブックと条項が異なる場合は、現行規則・正誤表を優先します。

通常の屋外トラックが対象です。ショートトラック、混成競技、学校・大会独自の区分や進行方法は、大会要項・競技注意事項を確認してください。招集時刻、機器の操作手順などは会場ごとの確認が必要です。