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陸上競技棒高跳支える人

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棒高跳|支える人

審判レベルのルール詳細

準備から判定、記録、ケース対応まで。担当ごとの実務を確認します。

日本陸連2026年規則 / 確認 2026-09-10

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規則

担当・主任・審判長の仕事を分ける

通常の有効・無効判定、計測、記録、呼出しは担当審判員が行います。主任は担当を配置し、仕事を調整します。通常業務のたびに審判長の許可を待つ必要はありません。

審判員は自分の判定に誤りがあると分かった場合、再考できます。抗議や上訴で審判長・ジュリーが判断する段階では、確認した事実と資料を提供します。

仕事通常の担当・判断者
開始合図・計時・判定・計測・記録担当審判員。担当間の調整は主任。
競技区域からの一時離席担当審判員の許可を受け、審判員の付添いで離れる。
重複出場による試技順変更審判長、または事前にその権限を委譲された主任・競技者担当。
通常の機器復旧・適合する代替器具での計測主任・計測担当。競技者に不利益な記録処理や再試技が必要なら審判長へ。
裁量的な再試技・時間補償、抗議の裁定TR25.18による判断や抗議は審判長へ。ポール破損など規則に明記された再試技の条件とは分ける。
競技場所・時刻の変更審判長または技術代表。
  • 重複出場の権限委譲は、実際に事前に決められていることが条件です。主任なら自動的に全権限があるわけではありません。
  • 当サイトの『主審』は、踏切等を判定して旗を扱う現場担当を指します。審判長とは区別します。

根拠:CR19.1–19.4 / TR4.3 / TR25.18–25.20 / ハンドブック353頁

現場の運用例

競技前の打合せ:何を誰とそろえるか

主任は競技注意事項・日程・スタートリストをそろえ、通常業務と委譲事項を担当者へ説明します。次の項目は、当日の条件を一枚の進行メモへ整理するための例です。

  1. 予選・決勝・混成の区分、試技数または開始高・上げ方、通過条件を確認する。
  2. 練習の開始・終了、順番・回数、入退場・待機場所を競技者担当とそろえる。
  3. 呼出し、準備完了、計時、判定、記録、整備・バー再設置の連絡相手を決める。
  4. 機器不調・雨・強風・抗議の際、まず保持する情報と報告先を決める。
  5. 最後に実際の配置で合図と記録の受渡しを一巡させ、死角・兼務の衝突を確かめる。

根拠:CR19.1・19.4 / TR25.1–25.2 / ハンドブック:フィールド

規則

準備:ボックス・支柱・着地場所のつながりを点検

ボックスの固定、異物・水、ゼロライン、支柱土台の緩衝材、マットの連結・隙間を点検します。助走、ポールの動き、着地、退出が器具や人と交差しない配置にします。

対象確認する基準
バー長さ4.5m(±20mm)、最大2.25kg。
バー止間隔4.280~4.370m。直径13mm以下、突出長55mm以下。
ゼロラインボックス突当たり内側上縁に対応。助走路上は幅10mm、マット上は50mm以下で支柱外側へ延長。
国内の着地場所前方張出しを除き、幅5m×奥行5m以上。国際の対象大会の6m×6m×0.8m以上とは区別。
ボックス際マットとの100~150mmの間隔と、45~48度の傾斜を規則・配置図と照合。
  • 寸法だけで安全を保証しません。マットのずれ・連結・露出した硬い部分・周辺用具も点検します。
  • 予備バー、バー上げ器具、計測棒、時計・黄旗、位置申告票、原記録、表示板、ポール置場を準備します。

根拠:TR26.7 / TR28.1・28.9–28.12 / ハンドブック:棒高跳

現場の運用例

担当別:奥行の申告を左右の支柱へ確実に伝える

高さと奥行を別項目として記録します。『前の選手と同じだろう』と推測せず、呼出しごとに競技者番号と希望奥行を対応させます。

担当仕事と引継ぎ
主任・判定配置・進行、ゼロ面・バー・握り替え等の判定。裁定が必要な事項を整理。
左右の支柱・バー申告位置を復唱し両側を設定。高さとバーの置き方を合わせて完了を連絡。
申告・呼出し競技者・高さ・試技・奥行を対応。連続試技での位置変更希望を確認。
記録・表示○×-、連続失敗、成功高、順位を照合。奥行値を高さの欄へ混入させない。
時間・誘導設定完了後に計時。残人数・連続試技の時間と、人・ポールの退避を確認。

根拠:CR19.1・19.4 / TR28.1・競技役員チーム解説 / ハンドブック:棒高跳

ポール・握り・練習の条件

他の競技者のポールを使う場合は、所有者の同意が必要です。手袋や、握りを良くするため手・ポールへ物質を付けることは認められます。

握り部のテープは、通常の重ね巻き部分を除いて均一にし、リング状の段差を作ることはできません。

規則上ポールの長さ・太さが任意であっても、製品の使用条件や損傷確認が不要になるわけではありません。用具の選択と練習は、指導者・大会側の管理手順に従います。

フリー練習の時間・範囲、公式練習の順番・回数は大会の競技注意事項で確認します。競技開始後の競技用助走路・踏切場所、練習のためのポール使用は原則禁止です。国内では、審判長が特に認めた区域でポールを使用できる例外があります。

許可された区域と方法を確認します。

根拠:TR28.3・28.11 / TR25.1–25.2

バーの奥行:0~80cmを申告する

ボックスの突当たり内側上縁を通る垂直面が基準のゼロラインです。バーの手前面は、ここからマット側へ0~80cmの範囲で設定します。

最初に希望する位置を事前申告します。変更する場合は、申告位置へバーがセットされる前に伝えます。試技の計時開始後には変更できません。

連続試技では、審判員がバー位置の変更を希望するか確認します。通常の奥行の申告・調整は担当者の仕事で、毎回審判長の許可を取る手続ではありません。

  1. 競技者番号・高さ・希望奥行を記録し、復唱する。
  2. 左右の支柱を同じ奥行へ調整する。
  3. 申告位置への設定完了と区域の安全を確認する。
  4. 準備完了を示して計時を開始する。

根拠:TR28.1 / ハンドブック正誤表:386頁

補助員がポールへ触れるタイミング

競技者の手を離れたポールには、バーや支柱から離れる方向へ明らかに倒れていく場合を除き、早く触れないようにします。捕らえ方によってバー落下を防いでしまうためです。

誰かが触れ、触れなければバーを落としていたと審判長が判断した場合は無効です。この因果判断はTR28.4の権限として区別します。

  • 競技前にポールの退避方向と補助員の位置を決め、人の通路や用具置場を重ねません。
  • 人身の危険への対応を妨げる指示にはしません。介入した場合は時点・方向・バーとの関係を記録し、判定へ必要な事実を渡します。

根拠:TR28.4 / ハンドブック:棒高跳

重複出場:順番変更と、不在の試技を分ける

重複出場は本人から申し出ます。高さの跳躍の順番変更は各試技に一度で、審判長または事前に権限を委譲された主任・競技者担当が扱います。選手自身が自由に順番を決めたり、終わった高さへ戻したりすることはできません。

離席は担当審判員の許可を受け、審判員の付添いで移動します。帰着も知らせ、現在の高さ・残る試技を確認します。

許可された変更後も不在の場合扱い
通常の扱い試技時間が過ぎればパス。同じ高さの残りの試技には戻れない。
国内で事前申告した場合無効試技扱いにできる。3連続失敗に達していなければ、その高さの残りの試技に出場できる。
ワールドランキングコンペティション(WRk)国内の無効扱いの例外は使えない。パス扱い。
  • 無断の離席・通常の不在はTR25.19の別の条件で扱います。すべての不在を同じ記号で記録しません。
  • 他の競技者全員が終えても不在の場合は、TR26.2の競技放棄の条件も確認します。

根拠:TR4.3 / TR25.19 / TR26.2 / ハンドブック353頁

バー落下・ゼロ面・握り替えの判定

跳躍動作によってバーがバー止から落ちた場合は失敗です。単に『バーが揺れた』だけで確定せず、落下と跳躍動作の関係を確認します。

バーを越える前に、身体やポールがゼロ面より奥の地面・着地場所へ触れた場合も失敗です。ただし、正しくボックスへ突いた後、曲がったポールが着地マットへ触れること自体は無効ではありません。

踏切後、下の手を上の手より高く握り替える、上の手をポールの上方へずらす、手でバーを戻す・安定させる行為は無効になります。

  • ゼロ面を空中で越えただけで、直ちに失敗とするわけではありません。
  • 跳ぶのをやめて助走路へ戻る場合は、奥側の地面接触等の違反がないかと残時間を確認します。やり直しで時計は戻しません。

根拠:TR28.2 / 2026年正誤表:TR28.2

架空のケース

ケース:位置変更・破損・補助員の接触

計時が始まってから『バーを10cm奥へ』と申し出た。計時開始後の位置変更はできません。古い説明にある『移動時間も試技時間に含める』という運用へ戻しません。

試技中にポールが折れた。区域の安全を確保し、破損と試技の状況を記録します。折れたこと自体を無効とせず、TR28.5による新試技を手配します。別の違反や抗議があれば分けて扱います。

補助員が、バー側へ倒れかけたポールを先に捕らえた。接触時の方向・バーとの距離を保存し、触れなければバーを落としていたかを審判長へ判断してもらいます。

根拠:TR28.1・28.4–28.5 / ハンドブック正誤表:386頁

架空のケース

ケース:バーが落ちた原因は何か

競技者がバーに触れずに越えた後、風だけでバーが落ちた場合、その試技は成功です。『落ちたから必ず赤旗』ではありません。

外力でバーが落ちたその他の状況では、TR26.10の代替試技を適用します。身体が触れて揺れ続けた場合は、跳躍動作と落下の関係を見て判断します。

  1. 競技者・ポールの接触の有無、風、マットや支柱の動きを担当者同士で確認する。
  2. 観察事実から規則を適用できる通常判定は担当審判員が行う。
  3. 事実が不明、判断が割れる、抗議となった場合は主任を通じて審判長へ資料を渡す。

根拠:TR26.10 / CR19.2・19.4

規則

中断・抗議:現場で進めること、裁定を求めること

砂場・マット・助走路に人が残っているときは、担当者が開始合図を待ちます。周囲のトラックのスタートを見て旗のタイミングを調整することも、通常の現場業務です。

既に始まった試技で競技者の責によらない妨害が起き、時間補償や再試技が必要になった場合は、審判長の判断を求めます。機器の転送不良を直すだけの作業まで、一律に裁定待ちにはしません。

判定への異議が出たら、まず何に異議があるかを確認します。担当者が誤判定に気づいた場合の再考と、審判長が扱う抗議の裁定を区別します。

  • 痕跡・映像・原記録は、結論を待つ前に保全します。
  • 長さの跳躍の即時抗議に伴うTR8.5の保全計測は、国内では主催者による適用を確認します。計測は有効の確定とは別です。
  • 報告は『誰の何回目/何m』『観察した事実』『残時間』『保存資料』『何の裁定が必要か』の順に短くまとめます。

根拠:CR19.2 / TR8.5 / TR25.17–25.18 / ハンドブック:フィールド

規則

パスと3連続失敗を、同じ記録表で追う

棒高跳は、高さをまたいで3回続けて失敗すると競技終了です。パスは失敗を消しません。成功すれば、その時点で連続失敗は途切れます。

ある高さの残りの試技をパスしたら、その高さへ戻って跳ぶことはできません。次の高さでは、直前までの連続失敗数に応じて試技を行います。ジャンプオフは別の扱いです。

経過(架空例)次の扱い
ある高さで×× → 次の高さで×3連続失敗となり終了。
ある高さで×× → 次の高さで○成功。連続失敗が途切れる。
ある高さで× → 残りをパス次の高さで許される連続失敗はあと2回。
ある高さを最初からパスその高さには戻れない。前の失敗があれば持ち越す。
  • 『一つの高さにつき必ず3回使える』とは説明しません。
  • 学校大会等の特別規定を採用している場合は、競技開始前に明示された条件と区別して適用します。

根拠:TR26.1–26.2 / 2026年正誤表

規則

試技時間:人数・連続試技・記録挑戦で分ける

担当審判員が試技を行える状態を示してから計時します。棒高跳は申告したバー位置への調整が完了していることも必要です。各競技者の最初の試技は1分です。

単独種目の条件棒高跳
残り4人以上1分
残り2~3人2分
残り1人5分
残り2人以上で連続試技3分
  • 人数の減少による時間変更は、原則として次の高さから。連続試技の扱いは直ちに適用します。高さを上げても連続なら対象です。
  • 通常の人数による時間と連続試技の時間を比べ、長い方を適用します。残り人数にはジャンプオフ参加の可能性がある競技者も含みます。
  • 混成競技で最後の1人となった場合は3分です。単独種目の表を流用しません。
  • 優勝が決まって最後の1人となり、世界・日本・大会記録等に挑戦する場合は通常より1分延長。別大会の参加標準記録への挑戦と混同しません。
  • 残り15秒を黄旗等で示します。時間内に試技を開始すれば完了が期限後でも認められます。計時開始後に単に跳ばないと決めた場合は、事前のパスと同じ処理にしません。

根拠:TR25.17・解説

規則

バーの高さを測り、同じ条件に戻す

地面からバー上面の最も低い点まで、垂直に測ります。支柱の目盛やバーの端の高さだけで確定しません。1cm単位で扱います。

新しい高さへ上げたときは試技前に計測し、バーを交換したときは再計測します。世界・日本記録の挑戦では、高さを測った後に競技者がバーへ触れた場合、次の試技前に再確認します。

  1. 左右の支柱設定を合わせ、バー止とバーの置き方を確認する。
  2. 計測器を垂直に保ち、バーの最も低い点を確認する。
  3. 記録担当・呼出し・表示へ同じ高さを伝える。
  4. バーが落ちたら、決めた面・向きで再設置し、支柱やマットが動いていないか点検する。
  • 優勝が決まる前の上げ幅は5cm以上で、途中で上げ幅を増やしません。全員同意による記録挑戦などの例外はTR26.4を確認します。
  • 優勝が決まり最後の1人になった後は、審判員または審判長と相談して競技者が希望高を決めます。混成競技にはこの扱いを適用しません。

根拠:TR26.4–26.7 / CR19.4

規則

同じ高さでも順位が分かれる理由

最も高い成功記録を比べます。同じなら、その高さを何回目で成功したかを比較します。それも同じなら、その高さまでの失敗の合計を比較します。

最高成功高より上での失敗は、この失敗総数に含めません。パスも失敗として数えません。最初にその高さを跳んだ競技者を上位にする規定ではありません。

  1. 最高成功高を比較する。
  2. 同記録なら、その高さでの成功までの試技数を比較する。
  3. なお同じなら、最高成功高を含むそれ以下の高さでの失敗総数を比較する。
  4. それでも同じなら、1位の決定が必要な場合のジャンプオフへ。2位以下は原則同順位。混成ではジャンプオフを行わない。
  • ジャンプオフでは、最後に成功した高さの次の予定高から、各競技者1回ずつ試技します。2人以上が成功したら5cm上げ、全員失敗なら同じ幅で下げます。成功者が1人になれば決着です。
  • ジャンプオフをしない事前規定等も確認します。参加せず後から戻ることはできません。国内で上位大会の出場枠を決めるために適用する場合も、すべての同順位に自動適用するわけではありません。

根拠:TR26.8–26.9

現場の運用例

記録・呼出し・表示を一致させる

少なくとも2人の審判員が記録を管理し、各ラウンドの終了ごとに照合します。電光表示板に出ている数字だけを、原記録の代わりにしません。

呼出しは競技者番号・氏名・試技回または高さを確認し、次の競技者にも準備を知らせます。長さの跳躍では距離と風力、高さの跳躍では○・×・-と連続失敗を対応させます。

  1. 判定担当から有効・無効を受け、計測担当の数値を復唱する。
  2. 競技者・試技回または高さの正しい欄へ記入し、もう一方の記録と照合する。
  3. 表示担当は確認された値を表示する。保留値や抗議中の値を確定値と混ぜない。
  4. 訂正は元の記録、訂正理由、確認者が追えるようにする。次の呼出しにも影響がないか確かめる。

根拠:CR19.4 / TR25.8 / ハンドブック:記録担当

公式資料・ルールブック

詳しい条文や、書籍の購入先はこちらから確認できます。

根拠と適用範囲

国内の競技会を基本に、日本陸連2026年規則と正誤表を独自に整理しています。国際規則と異なる箇所、大会で決める事項は本文で区別しています。

競技注意事項・要項・使用機器の仕様は大会ごとに確認してください。「現場の運用例」は分担や手順の提案です。