カテゴリーから、読みたい内容を開く
中継所主任を中心に、役割を分ける
中継所では、招集・整列、着順、計時、中継監察、記録、走路整理を分担します。中継所主任はその場所を統括しますが、記録を取る通常業務まで毎回の裁定待ちにしません。
監察員は違反や妨害の事実を審判長へ報告します。審判長は規則・内規に関わる技術的な問題や、記載のない事項を裁定し、最終結果を承認します。
| 担当 | 主な仕事 |
|---|---|
| 中継所主任 | 配置・進行・連絡を統括し、繰り上げを指示 |
| 出発係 | 選手・番号・たすき・服装を確認し待機へ |
| 競走審判・計時 | 前走者の胴体の中継線到達で着順・時間を取る |
| 監察 | 区域、受渡し、妨害を観察して報告 |
| 記録・情報 | 判定資料から所要時間・区間記録を作成 |
| 走路・医務 | 走路確保、安全確認、救護連絡 |
根拠:駅伝競走規準 第2–3条
要項・内規・注意事項を一組で確認する
区間距離、出走順、選手変更の条件と締切、招集、待機場所、中継所への移動、給水、関門、繰り上げ、棄権後の扱いを確認します。これらを有名大会の方式から推測しないでください。
チーム名・区間・走者・番号・たすきが一致するかを確認します。交代や変更は大会の正式な手順で申告し、現場の口頭連絡だけで出走者を入れ替えないようにします。
各中継所の入口、待機場所、受渡し区域、走り終わった後の退出先を、実際の会場案内で確認します。
中継線と、受渡し区域を別に点検する
中継線は幅50mmの白線で示し、そこから進行方向20mの受渡し区域を確認します。国際ロードリレーの前後10m配置を転用しません。
前走者の進入路、受け手の待機・整列、受渡し後の退出路、観客の区分を確認します。計時位置と中継監察の位置は、役割に合わせて配置します。
スタートリスト、選手変更の正式情報、繰り上げの条件、時刻を合わせた時計、記録用紙、連絡機器を用意します。前の中継所からの通過情報が途切れた場合の連絡手順も決めます。
区間の走路と、給水方法を把握する
コースとして指定された道路や区分を走ります。曲がり角、折返し、交差点、走行区分が変わる場所を事前に確認し、役員の案内に従います。独自に近道をしないでください。
交差点では、その中心から右側へ出ないという規準があります。通常の道路交通と分離された大会の指定走路を確認し、「常に好きな側から抜ける」といった説明に一般化しません。
給水地点・方法は大会の発表を確認します。チーム関係者がどこでも並走して水を渡せるわけではありません。
たすきは、中継線から前方20mで手渡す
日本陸連の駅伝競走規準では、中継線から進行方向20mの間で、たすきを手渡します。「線の前後10m」ではありません。中継線の手前から投げ渡すこともできません。
受け手は中継線より手前の、前走者が走る区域へ入れません。渡した走者はすぐにコース外へ出ます。他のチームの走路を横切って妨害しないようにします。
| 場所・動作 | 基本の扱い |
|---|---|
| 中継線より手前 | 受け手が前走者の区域へ入らない |
| 中継線から進行方向20m | この区間でたすきを手渡す |
| 受渡し後 | 渡した走者は直ちにコース外へ |
根拠:駅伝競走規準 第6条
たすきは肩から脇へ、斜めにかける
走行中はたすきを肩から反対側の脇の下へ斜めにかけます。手に持つ時間の目安と、手渡せる中継区域は別の話です。
規準には、中継所手前およそ400mで外し、中継後およそ200mまでにかける目安があります。この数字を「400mの中なら渡せる」と読み替えないでください。
根拠:駅伝競走規準 第9条
中継違反と接触の事実を具体的に残す
受け手が中継線の手前へ入っていないか、たすきを手渡した位置、投げ渡していないか、受渡し後の退出と他チームへの妨害を観察します。
チーム番号、選手、場所、動作、相手への影響、見ていた方向を記録します。「接触した」「危なかった」だけで結論を出さず、審判長の判断に必要な事実を伝えます。
繰り上げは審判長または中継所主任の指示で行い、中継線をスタートラインにします。担当者が独自の基準で一斉に出す扱いにはしません。
繰り上げ後は、見た目の順番だけで判断しない
到着が大きく遅れた場合に、前走者を待たず次の走者を出す繰り上げスタートを行うことがあります。実施条件は競技会前に各チームへ公表します。どの大会でも同じ時間差という規定ではありません。
繰り上げたから必ずチーム全体が失格になる、とは限りません。競技の続行、記録、順位は大会の内規で確認します。走路上の見た目の順番と公式な総合順位が異なる場合があります。
走行困難・区間中止の連絡をそろえる
走行困難な選手には声を掛けて状態を確認し、安全を確保して直ちに本部へ報告します。審判長または任命された医師の指示で対応し、中止を命じられた選手は競技を中止します。
その区間の競技は原則無効となりますが、後続の出走、チームの続行、成績の扱いは大会内規によります。現場から後続中継所へ、選手・区間・時刻・指示内容を正確に引き継ぎます。
根拠:駅伝競走規準 第5条
中継所で起こりやすいケース
| 場面 | 確認 | 扱いの要点 |
|---|---|---|
| 中継線の手前でたすきを渡した | 受渡し位置と受け手の進入 | 区域内の手渡し条件で報告 |
| 線通過後、受渡しに時間がかかった | 前走者の胴体到達時刻 | 受渡し完了時刻に置き換えない |
| 繰り上げ走者が先頭に見える | 実際の出発・到達・内規 | 走路上の順と総合順位を区別 |
| 選手が区間途中で走行不能 | 安全、医務判断、内規 | 救護と後続チームの扱いを引継ぐ |
| 別大会の選手変更期限を使った | 今回の要項・内規 | 大会固有の期限で確認 |
根拠:駅伝競走規準
到達・受渡し・繰り上げを別々に記録する
前走者の番号と胴体の中継線到達時刻を記録し、着順担当と計時担当で照合します。たすきを渡した時刻を到達時刻の代わりにしません。
繰り上げた場合は、到達を待たずに出た走者と実際のスタート時刻、遅れて来た前走者の到達時刻を分けて残します。表面上の通過順位だけで総合順位を確定しません。
区間記録、総所要時間、無効区間や参考扱いの計算方法は大会内規と照合します。欠測を前後の順位から推測で埋めず、原記録・映像等の照合と訂正履歴を残します。
公式資料・ルールブック
詳しい条文や、書籍の購入先はこちらから確認できます。
出典と適用範囲
日本陸連2026年競技規則・5月17日正誤表と、駅伝競走規準を確認し、独自の表現で整理しています。各節のリンクから公式資料へ進めます。
審判ハンドブック2025–2026は実務の参考とし、現行規則と異なる部分は現行規則・訂正情報を優先します。大会独自の区分、招集時刻、関門、中継方法、機器の操作手順は、その大会の要項・競技注意事項を確認してください。
