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決められたコースを、最後まで走る
折返しやコーンで区分された走路を守り、距離を短縮してはいけません。腕時計のGPSが42.195kmを表示した場所で競技が終わるわけではありません。
制限時間、関門の場所、通過時刻の判定方法は大会ごとに定められます。すべてのマラソンが同じ制限時間ではありません。関門後の中止・収容方法も事前に確認してください。
コースから一時的に離れるときも、役員の許可・監督の条件と、距離を短縮しないことが必要です。自己判断で近道して復帰しないようにします。
分散した担当を、同じ情報で動かす
道路競走では競技場所が広く分かれます。担当区間、連絡先、通報方法、緊急時の位置の伝え方、指示の受け方を事前にそろえます。通常の誘導・記録と、裁定や医療判断を分けます。
| 担当 | 通常の仕事・引継ぎ |
|---|---|
| コース・技術 | 計測図と当日のコーン・折返し位置を照合 |
| 走路・監察 | 走路確保、短縮・助力・妨害の事実を報告 |
| 給水・飲食物 | 配置、個人飲料の管理、受取区域を確認 |
| 計時・記録 | スタート時刻、通過、着順、欠測と結果を照合 |
| 医療・本部 | 健康状態と現場位置を共有し、救護・中止判断へ |
申込条件・招集・当日の導線を確認する
申込資格、登録、スタートブロック、整列締切、関門、コース図、給水所、計測チップの装着方法を確認します。荷物預けやトイレの動線も含め、整列時刻に間に合う予定を立てます。
シューズや服装は適用規程に合わせます。大会別の装備条件を、別の大会で認められたという理由だけで判断しないでください。体調不良時の申告・出場中止の連絡先も確認します。
スタートは立った姿勢で行います。自分のウェーブと整列場所を守り、前の組へ紛れて早く出発しないようにしてください。
根拠:TR55.6–55.7 / TR4–5
個人飲料の受領から受渡しまで管理する
受領した選手名・番号、指定給水所、本数を照合し、預かってから配置まで役員の管理下に置きます。取り違えや混入を防ぎ、選手が自分の飲料を見つけられる配置にします。
受渡し区域を明示し、計測した走行線をふさがないように設置します。手渡す人は所定の区域内にとどまり、競技者と並んで移動したり走路へ出て妨害したりしません。
チーム役員の人数制限は適用対象大会を確認します。TR55.8.6の対象大会では原則同時に2名までですが、出場人数等に応じ競技注意事項で追加が認められる場合があります。すべての大会に無条件で拡張しません。
伴走・給水・救護を区別する
同じレースに出場していない人によるペース提供や、周回遅れ等の競技者によるペース提供は助力の対象です。同じレースに正式出場するペースメーカーを、理由なく禁止扱いにしません。規程不適合シューズを着用した競技者からのペース提供も対象です。
医療上の理由や役員指示などの例外がない指定外給水等は、通常は初回警告、2回目は失格です。正当に得た水等を競技者同士で分けられる場合もありますが、継続的な補給支援は助力に当たり得ます。
安全のための声掛けや一時的な介護は別に扱います。倒れた選手を助けずに失格判断を待つ、といった対応にはしません。
根拠:TR6.3.1 / 2026正誤表 / TR55.7–55.8
安全確認と救護を、裁定待ちで遅らせない
走行困難な様子を認めたら声を掛け、状態を確認して本部・医療へ位置と状況を連絡します。安全確認や必要な一時的介護を、禁止助力と混同しません。
審判長または任命された医師の中止指示を伝え、収容・搬送は大会の緊急対応手順に従います。記事だけを医療判断や交通規制計画の代わりにしないでください。
関門では、事前公表された時刻と判定位置で処理し、対象番号・時刻・中止案内・収容の引継ぎを記録します。現場ごとに独自の延長時間を作らないようにします。
根拠:TR55.7〔国内〕
グロスタイムとネットタイムの違い
グロスタイムはスタート合図からフィニッシュまで。ネットタイムはその人がスタートラインを通過してからフィニッシュまでの時間です。大人数の大会では、両方が完走証に表示されることがあります。
日本陸連の公認記録はグロスタイムで扱います。ネットタイムは自分の走りを振り返る材料になりますが、そのまま公認記録と同じ意味にはなりません。
登録者・未登録者が一緒に走る公認大会では、公認記録の対象は日本陸連登録者です。申込時と競技会当日の登録が必要です。ウェーブスタートの場合は、その組の合図を基準にする時間と個人の通過時間を確認します。
測ったコースと、当日の走路を一致させる
公認コースは、選手が走れる範囲の最短経路を測定します。GPSの軌跡や地図上の概算だけで公認距離を確定しません。自転車の回転測定器による計測、国内公認細則、計測報告を確認します。
コースは公式距離より短くできません。TR55.3では短少防止ファクターの採用を望ましいとし、国内公認細則の自転車計測では0.1%を加えて測ると定めています。1kmを1001mとして測る考え方です。選手が任意に余分な距離を走るルールではありません。
コーン・バリケード・折返し点の位置は計測時の条件と照合します。測定証明書は5年有効で、変更がなくてもその後は再計測します。コースを変更した場合も、既存証明をそのまま使えると判断しないでください。
根拠:TR55.3 / 国内公認細則 第3条
通過データと着順を照合して確定する
スタート信号と各ウェーブの基準時刻を記録し、チップデータの欠測・重複・番号誤りを確認します。チップの装着不良を、未完走と即断しません。映像やバックアップ記録など大会の手順で照合します。
接戦では足のチップが先に反応したことだけで着順を決めず、胴体のフィニッシュ到達と照合します。グロス・ネットの名称を明記し、公認記録対象の登録状態も確認します。
DNS・DNF・DQ、関門による中止、参考記録などを大会の正式な結果区分で整理します。疑義、裁定、訂正理由と発表時刻を保存します。
根拠:TR18.2・19.24 / CR25.4 / 公認道路競走記録の取扱い
完走・公認記録・世界記録は同じ判定ではない
競技会での順位やコース記録と、世界記録・日本記録の認定条件を分けます。記録認定のコース条件に合わないことを、全選手の失格という意味にはしません。
世界記録・日本記録の道路コースでは、スタートとフィニッシュの直線距離は競走距離の50%以下、標高の減少は1km当たり1m以下という条件があります。マラソンならそれぞれ21.0975km以下、42.195m以下に相当します。
途中の下り坂をすべて足した値ではありません。
この2条件だけで記録認定が完了するわけではありません。計測・当日のコース・必要な記録申請条件も満たす必要があります。参加標準記録や選考基準は対象大会の発表を確認します。
根拠:CR31.21・34.5
公式資料・ルールブック
詳しい条文や、書籍の購入先はこちらから確認できます。
出典と適用範囲
日本陸連2026年競技規則・5月17日正誤表と、駅伝競走規準を確認し、独自の表現で整理しています。各節のリンクから公式資料へ進めます。
審判ハンドブック2025–2026は実務の参考とし、現行規則と異なる部分は現行規則・訂正情報を優先します。大会独自の区分、招集時刻、関門、中継方法、機器の操作手順は、その大会の要項・競技注意事項を確認してください。
